平成30年新年互礼会を開催しました(1月4日)
平成29年は中期目標中期計画第3期の2年目でした。運営費交付金の1%削減は議員連盟等のご努力があり、2年連続でストップしています。一方、新しく重点支援の枠組みで、ビジョン・戦略・取組みを確定してその評価によって1%削減に対する再配分額が決まる仕組みとなりました。本学は平成28年度予算で92.6%、平成29年度で81.3%の再配分率でした。決して褒められた数字ではありません。平成30年度はまだ通知が来ていません。
昨年は4年連続の人事院勧告による給与とボーナスアップがありましたが、緊縮財政をお願いしました結果、平成29年度予算は順調に推移しています。ボーナスについては4年で0.45カ月アップですので、もらい切り予算では,その影響力は運営費交付金1%削減と同等の大きさになります。
平成29年の重要事項は五つあります。まず一つ目ですが、平成27年度に重点支援の枠組みAを選んだ影響についてです。世界型、特色・拠点型、地域型の中で特色・拠点型を選んだのですが、教育拠点、研究拠点、国際拠点を作るための構想を行いました。教育拠点については「卓越大学院」予算獲得のため、構想を練りました。これから勝負所を迎えています。研究拠点については、準備不足のため断念しましたが3年後にチャレンジします。国際拠点についてはバングラデシュのダッカ大学と学生交流協定を結びました。単に協定を結んだだけでなく、企業から留学資金を援助いただく仕組みを作りながら、ここを一つのモデル拠点にする考えです。国際交流は、国際交流担当副学長を中心に、受け入れ及び派遣留学生の数値目標に向かって鋭意努力を行い、着実に実績が上がっています。
二つ目として、地(知)の拠点大学による地方創生推進事業、いわゆるCOC+に採択された影響です。参加大学である奈良高専と奈良県立大学とも協力して行っています。現在の2回生、4月から3回生の奈良県内への就職率向上が具体的な数値目標です。大学としては「地域志向科目」を増加させていきます。地域創生担当副学長を中心に、奈良県内の企業研究会を開催する等の活動を活発に行っています。徐々に手ごたえを感じ始めています。
三つ目がなでしこ基金です。なでしこ基金を活性化するために平成28年度は従来の「所得控除」に加えて「税額控除」の導入が出来ました。お陰様で毎年多額のご寄附を頂き、感謝しております。なでしこ基金と関連しますが、2019年5月1日、あと1年5か月後に本学創立110周年を迎えます。卒業生や佐保会にもご寄附をお願いする予定です。教職員の皆様にもご寄附をお願いいたします。単に110周年を祝うためだけではなく、学生寮を建てたいと計画しています。大学院生の学生宿舎がないことが長年の悩みでした。110周年を記念して学生宿舎建設を現実のものにしようと考えています。
四つ目ですが、附属学校園の環境が大きな動きの中にあります。教員研修学校・教育研究開発学校・教育に関する地域貢献という3本柱に大きな特徴を持たせないといけません。県の教育委員会への協力と同時に全国への目張りが欠かせません。福井大学との連合大学院構想が実現しました。アドミッションセンターを中心に入試改革特に高大接続プログラムを検討していますが、これはこの流れの中で動いているものです。
五つ目は、平成30年度に予定している大学院博士前期課程の改組です。前・現人間文化研究科長はじめ皆様のご努力で、無事設置の認可が下り、院生の募集に入っているところです。大学院改組のキーの一つは6年一貫教育となりますが、なでしこ基金による支援が欠かせません。これに付随して、理学部の学科名称が、化学生命環境学科から化学生物環境学科に変わります。即時適応ですので、この3月に卒業する学生のみが化学生命環境学科卒を名乗ることになります。
二つ目として、地(知)の拠点大学による地方創生推進事業、いわゆるCOC+に採択された影響です。参加大学である奈良高専と奈良県立大学とも協力して行っています。現在の2回生、4月から3回生の奈良県内への就職率向上が具体的な数値目標です。大学としては「地域志向科目」を増加させていきます。地域創生担当副学長を中心に、奈良県内の企業研究会を開催する等の活動を活発に行っています。徐々に手ごたえを感じ始めています。
三つ目がなでしこ基金です。なでしこ基金を活性化するために平成28年度は従来の「所得控除」に加えて「税額控除」の導入が出来ました。お陰様で毎年多額のご寄附を頂き、感謝しております。なでしこ基金と関連しますが、2019年5月1日、あと1年5か月後に本学創立110周年を迎えます。卒業生や佐保会にもご寄附をお願いする予定です。教職員の皆様にもご寄附をお願いいたします。単に110周年を祝うためだけではなく、学生寮を建てたいと計画しています。大学院生の学生宿舎がないことが長年の悩みでした。110周年を記念して学生宿舎建設を現実のものにしようと考えています。
四つ目ですが、附属学校園の環境が大きな動きの中にあります。教員研修学校・教育研究開発学校・教育に関する地域貢献という3本柱に大きな特徴を持たせないといけません。県の教育委員会への協力と同時に全国への目張りが欠かせません。福井大学との連合大学院構想が実現しました。アドミッションセンターを中心に入試改革特に高大接続プログラムを検討していますが、これはこの流れの中で動いているものです。
五つ目は、平成30年度に予定している大学院博士前期課程の改組です。前・現人間文化研究科長はじめ皆様のご努力で、無事設置の認可が下り、院生の募集に入っているところです。大学院改組のキーの一つは6年一貫教育となりますが、なでしこ基金による支援が欠かせません。これに付随して、理学部の学科名称が、化学生命環境学科から化学生物環境学科に変わります。即時適応ですので、この3月に卒業する学生のみが化学生命環境学科卒を名乗ることになります。
平成30年度の予算ですが、楽観していません。5年連続の人件費アップの人事院勧告がないとは言えません。博士後期課程の学生数を削減しましたが、その3年目の影響が運営費交付金に出ます。寄附金等外部資金活用促進経費が平成29年度で打ち切りになります。学術情報センターの計算機リプレイスを行います。このような理由のため、緊縮財政路線を継続します。
予算以外にもう三点述べておきます。一つ目は科学研究費です。大改革が行われ、平成30年度助成において、審査区分表が変わり審査方法も変わりました。科学研究費は運営費交付金に次ぐ、第2の命の水です。ぜひ獲得をお願いします。
二つ目は、教職員の皆さんの自己管理です。ハラスメント、情報管理、研究と研究費管理は、十分意識し注意してください。ハラスメント防止・障害学生支援担当副学長から、研修会など活発なメッセージが出ています。今、人権に対する考え方が大きく変化しつつある時代です。時代からのメッセージとして受け取り、十分な対応をお願いします。
三つ目は、高等教育そのものに関することです。18歳人口が減少する中で、短期大学が専門職大学に変わりますと、進学率の向上はこれ以上望めません。社会人を正規学生として取り組むにも、放送大学よりも魅力あるものにしなければいけません。留学生を正規学生として取り組むには、今まで長所であった日本語による高等教育が、短所になる可能性があります。平成30年度は第3期の3年目になります。第4期まであと4年しかありません。たった4年で大変革をしなければなりません。ここに至っては、受け身の変革はありません。自ら高等教育のあるべき姿を設計して、行動して、勝ち取っていく以外に生き残りはありません。
最後になりますが、再度強調します。大変化時代になります。激甚変化社会に入りました。基準や価値が180度変わってきます。私の経験では、電話の使用が緊急事態から平時に変わりました。農作業が耕耘機からトラクターに変わりやがてロボット化されます。最近の動きでは、農地や家屋が引き継ぐものから放置するものに変わりました。放置防止のため、相続登記の義務化が検討されています。銀行の金利がマイナスという想像を絶する状態になり、ビットコインが第2の通貨となりつつあります。
頭を柔軟にして、変化に対応できるものだけが生き残る時代です。重ねて皆様のご協力をお願いして、年頭のあいさつにいたします。
平成30年1月4日 奈良女子大学長 今岡春樹
※第3期中期目標期間中(2016年度〜2021年度)には、各国立大学が形成する強み・特色を最大限に生かし自ら改善・発展する仕組みを構築することにより、持続的な「競争力」を持ち高い付加価値を生みだすことが求められています。そのための方策の1つとして、国立大学の機能強化の方向性に応じ運営費交付金を配分するため、三つの重点支援の枠組が設けられ、各大学がいずれかを選択することとなりました。重点支援Aとは「主として、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で地域というより世界・全国的な教育研究を推進する取組を中核とする国立大学を支援」するものです。
[参考] http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/062/gaiyou/1358931.htm
頭を柔軟にして、変化に対応できるものだけが生き残る時代です。重ねて皆様のご協力をお願いして、年頭のあいさつにいたします。
平成30年1月4日 奈良女子大学長 今岡春樹
※第3期中期目標期間中(2016年度〜2021年度)には、各国立大学が形成する強み・特色を最大限に生かし自ら改善・発展する仕組みを構築することにより、持続的な「競争力」を持ち高い付加価値を生みだすことが求められています。そのための方策の1つとして、国立大学の機能強化の方向性に応じ運営費交付金を配分するため、三つの重点支援の枠組が設けられ、各大学がいずれかを選択することとなりました。重点支援Aとは「主として、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で地域というより世界・全国的な教育研究を推進する取組を中核とする国立大学を支援」するものです。
[参考] http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/062/gaiyou/1358931.htm